みなさんこんにちは!須山建設のカーボンニュートラル広報チームです。
以前、浜松市における再生可能エネルギーについてご紹介させていただきました。(記事はこちら)
今回はもう少し具体的に、市が掲げる「浜松市域“RE100”」という取り組みについて、ご紹介します。
浜松市域“RE100”とは
RE100とは、企業や自治体等が自ら使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す取り組みのことです。
2014年にイギリスの国際環境NGOがプロジェクトを創設し、現在は日本の企業も多数参加しています。
浜松市は自治体としてこのRE100に参加しており、市内の総消費電力に相当する電気を、市内の再生可能エネルギーで生み出すことができる状態にすることを目指しています。これが浜松市が定義した「浜松市域“RE100”」です。
具体的には2050年までに再生可能エネルギー自給率100%を達成し、二酸化炭素排出実質ゼロを実現することが目標です。
実現に向けた戦略では、以下の3本柱によって事業が推進されています。
(本文中の資料は 浜松市HP「浜松市域“RE100”」 より引用させていただきました)
再生可能エネルギーの導入・利用拡大
浜松の温暖な気候が再生可能エネルギーに適していることは、以前の記事でもご紹介しました。
再生可能エネルギーとして、まず太陽光発電を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。2018年の実績では市内の太陽光発電で58万MWhものエネルギーが生み出されていますが、2050年にはこれを80万MWhまで拡大する目標です。
さらに風力やバイオマスなど多彩な再生可能エネルギーを導入して、合計455万MWhを再生可能エネルギーによって賄うことを目指しています。これは市内消費エネルギーとほぼ同等のため、電力使用における二酸化炭素排出が実質ゼロとなります。
徹底した省エネ+イノベーション
エネルギーを「創る」目標の次は、「賢く使う」目標です。再生可能エネルギーをたくさん生み出しても、それを浪費してしまえば目標は達成できません。例えば、ゼロカーボンのまちづくりが必要となります。
そこで注目されているのが、ゼロカーボンの建築物、つまり「ZEB」です。これまで何度もご紹介してきたZEBは、「浜松市域“RE100”」でも戦略として明記されているのです。
ZEBに関しては、こちらのページも併せてご覧ください。
森林の二酸化炭素吸収
浜松市は市としては全国2位の広大な面積があり、その約66%は森林です。この豊かな森林が、市域で発生する二酸化炭素を吸収することで排出量を実質ゼロにするのが3本目の柱です。
さらに、浜松の森林では日本三大人口美林の一つとして名高い「天竜杉」が育ちます。この「天竜杉」を使用することも、実はRE100の実現にも大きく関係があるのです。
森林には「FSC認証制度」という、森林の管理が環境や地域社会に配慮して適正に行われているか評価・認証する制度があります。天竜林材業振興協議会は2010年にこの認証を取得し、市内のFSC森林認証面積は48,542haと市町村別では日本最大を誇ります。
広大な森林が二酸化炭素を吸収することに加え、市で生産される天竜杉の利用拡大を進めることで持続可能な森林経営の推進につなげ、カーボンニュートラル達成を目指しています。
最後に
いかがでしたか。
浜松市がカーボンニュートラルの実現に向けて掲げた「浜松市域“RE100”」の内容をご紹介しました。
私も今回の記事を書くにあたって資料を読みましたが、再生可能エネルギーの導入や持続可能な森林経営などこの地域の特色を適正に活かすことがカーボンニュートラルにつながることを知り、勉強になりました。
「浜松市域“RE100”」達成のために、須山建設も太陽光発電やZEBの推進、普及等を通じて地域に貢献していきたいと思います!
【参考資料】
環境省HP「浜松市のエネルギー政策」、https://www.env.go.jp/content/900448342.pdf
農林水産省HP「静岡県浜松市・エネルギー政策課内山さんに聞く」、https://www.maff.go.jp/j/shokusan/renewable/energy/interview/hamamatsu.html
浜松市HP「浜松市域“RE100”」 、https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/documents/13411/re100siryou.pdf
FSC®応援プロジェクトHP「FSC認証とは?」、https://shitte-erabo.net/aboutfsc/certification/
Forest Stewardship Council HP「天竜林材業振興協議会」、https://jp.fsc.org/jp-ja/Tenryu