こんにちは。浜松市でカーボンニュートラルに取り組んでいる須山建設です。
最近では省エネ・BCPともに、珍しいものではなくなってきており、差別化が難しくなってきています。
差別化をより明確にするためには、今まで以上に高いレベルの建物を提案・提供し、更にそのレベルを客観的な判断で評価をすることが必要となります。
CASBEEには、省エネ対策やBCP、将来の更新性、建物外部の景観、建物内部の快適性など多くの評価項目があり、項目ごとを総合的に判断し、建物全ての評価点が出る仕組みとなっています。
よって、CASBEEにおいて評価の高い建物ということは、総合的に建物のレベルが高いということになります。
今回は、CASBEE評価システムにおいて最高ランクであるSランクを取得した、ヤマハモーターエレクトロニクス様本社新工場の 取り組みについて紹介させていただきます。
CASBEEとは
「CASBEE」(建築環境総合性能評価システム)は、建築物の環境性能で評価し格付けする手法です。省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステムです。
CASBEEの特徴は、建物の環境に対する様々な側面を数値にて客観的に評価するため、その数値に応じて5段階に建物の環境評価の格付けを行い、評価結果を図・グラフなどで分かりやすく示します。
(出典:一般社団法人 建築環境・省エネルギー機構)
環境配慮の内容とその目的
1.エネルギー対策
機器の高効率化を図り、設備機器にはインバーター、高効率モーター、LED照明器具などを積極的に採用しました。またFEMS(工場エネルギー管理システム)にてモニタリングを行い、工場で使用するエネルギー使用量を「見える化」「見せる化」「見られる化」とし、エネルギーコストの分析・管理による設備の省エネ化に努めました。
2.室外環境(敷地内)対策
生物環境保全に配慮して、敷地内にあった桜の木はなるべく伐採せず、隣接する自治体の建物と一体的になるよう配慮しました。また旧工場から樹木の移植や植物名盤の設置も行い自然環境の整備も行いました。
3.室内環境対策
全館空調システムにより作業者だけでなく見学者にも最適な環境を提供できるようにしました。また2F組立エリアは集中管理システムを導入し温度・湿度・室圧を適正な値で常時管理しました。
まとめ
その他多くの項目について環境に良い建物となるように打合せを行いCASBEE静岡Sランクを取得しました。また環境に優れた建物ということで静岡県より「環境配慮建築物優秀賞」として表彰いただきました。静岡県では工場用途で初めてのSランク取得でした。
品質を上げ、環境負荷を減らすということがCASBEEの評価につながってはいきますが品質を上げるということはコストがかかることではあります。
計画段階よりCASBEE-Sランクを取得するという明確な目標を立て、環境を意識した計画を戦略的に行っていったことが今回の取り組みとなります。
今後も環境に配慮した設計・施工に取り組み、環境保護を推進していきます。