こんにちは。浜松市でカーボンニュートラルに取り組んでいる須山建設です。
『カーボンニュートラル』『脱炭素』という言葉を最近よく耳にするようになり、自社の生産工場でもそろそろ何か対策しなければならないのでは?とお考えではありませんか。
建築施設で行えるカーボンニュートラルは、いわゆるZEB認証を取得できる建物の新築や改修が主流で、そのほとんどは事務所や店舗となっています。
ここでは、これから新築する工場や、すでに稼働している工場でも行えるカーボンニュートラルとして3選をご紹介します。
Point 1 外壁、屋根、窓の断熱性能アップ
住宅では以前から高断熱化が行われており、断熱材の高性能化や外断熱工法の採用等が進んでいます。これらは外皮(建物の外周で外壁・屋根・窓等の開口部)の断熱性能をアップさせる方法で、工場にも同様の対策が可能です。
外壁での断熱性能UPは断熱材を入れる事ですが、外壁=内壁の工場では住宅の様にグラスウールなどの断熱材を施工するのは手間もコストもかかります。そのため、工場では断熱材を挟んだ外壁材(金属サンドイッチパネル)や、断熱材付の石膏ボードを外壁の下地として施工する事により断熱性能を高める事ができます。
工場の屋根は金属板を折り曲げた折板が一般的ですが、その折板をもう1枚重ね間に断熱材を挟み込んだ二重折板とする事で屋根の断熱化が可能です。また、この工事はすでにある折板屋根の上から断熱材と折板を覆いかぶせるカバー工法のため稼働している工場でも行う事が可能です。ただし、屋根の荷重がアップするため、それに耐えうる構造になっているかの確認が必要になります。
開口部においては、住宅や事務所同様複層ガラスやLow-eガラスを採用する事により高断熱化が可能です。しかしながら工場でこのような対策を行うと箇所数の多さからコストが増大してしまうので、それよりはそもそも外壁より断熱性能の劣る窓を少なくする事や、夏季に熱負荷が大きくなる南面や西面の窓を削減する方が得策です。ただし、窓は建築基準法や消防法などの法律上も必要になるので、削減するとしても限度があります。また、既存工場を改修して削減するとしても必要最低限の開口部を専門家にチェックしてもらう必要があります。
Point 2 LED照明などの省エネ機器の採用
工場の設備機器で省エネといえば照明器具が代表的です。
新築の工場ではすでにその大半でLED照明が採用されていますが、さらにそれを人感センサーやタイマー制御などの制御機器を設ける事により、不要な点灯を削減しエネルギーを抑える事が可能です。
また、空調設備においても省エネ性能の高い製品を採用する事や、シミュレーションにより作業環境に応じた最適な配置で設置する事により省エネ化が可能になります。
Point 3 太陽光発電パネルに代表される創エネ機器の設置
ZEB認証において求められる「エネルギー消費量をゼロにする」建物性能は、省エネだけでは達成できず、エネルギーを創り出す「創エネ」も必要になります。
創エネの主流は太陽光発電ですが、浜松市は年間の日照時間の市町村ランキングではトップ10に入る恵まれた地域のため、その創エネ効果も大きくなります。
工場においては屋根面が大きいため多くの太陽光発電パネルが設置可能なため、創エネ量も大きくなります。
また、一定規模以上の工場で適用される工場立地法においても、屋根面に設置する太陽光発電パネルは「環境施設」として算定可能で、ここでまかなった面積分の緑地を削減する事も可能なため、敷地面積に制限のある工場で太陽光発電パネルを導入する事は効果的です。
既存工場でも屋根面へ設置する事は可能ですが、屋根の断熱化同様に荷重がアップするため、建物構造の確認が必要になりますので、施工の前に専門家へ相談する必要があります。
まとめ
工場では一般的に建物が大型化するため、断熱性能や省エネ性能の向上を行っても全体に占める効果の割合が小さくなってしまうため、ZEB認証を取得するまでの性能には届かないのが現状です。
しかしながら、断熱性能の向上や省エネ、創エネ機器の積極的な採用により、少なからずカーボンニュートラルに貢献する事が可能です。
現在稼働している工場でもカーボンニュートラルに貢献する対策を行いたいとお考えであれば、専門的な内容を確認し、計画から施工までトータルでご提案することができる須山建設へお問い合わせ下さい。